
徳島大学の常三島キャンパスの北東角、閑静な住宅地に隣接する場所に「徳島大学工業会館」が完成しました。この建物は徳島大学工学部の同窓会館として計画されたものです。大学関係者に潤いのある豊かな空間を提供すると共に、近隣の方々の住環境や町並み景観にも考慮して、建物を低層とし、また敷地にあった樹木を生かして庭園にするなどの工夫をしております。
1階には教官や学生達の憩の場として木漏れ日の美しい談話室、ゆったりと広い和室などを置きました。2階のメモリアルホールとセミナー室は、各種イベントや研修などに対応できる可動式の間仕切り壁を設け、2部屋合わせて250人収容可能な空間としました。メモリアルホールの天井の隣間からはハイサイドライトが取り込まれ、陽光が降り注ぐように演出されています。
伸びやかな翼のような大屋根の形は、同窓会館のシンボル性と、地域に開かれた大学のイメージを表現しています。翼を休める鳥が今にも飛び出しそうな予感。ひな鳥を育むシェルターであり、卒業生たちの思い出が通うことのできる場としての象徴性をこの大屋根に託しています。