
高度情報化基盤センター マルチメディアシステム研究部門
上田 哲史 うえた てつし
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力学系を 創る 操る ワクワクさせる
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現象を数式にすることは可能か!?
上田先生およびそのグループでは、非線形ダイナミクス( 力学系) についての研究をしています。非線形とは、線形でない、ということです。専門外の方にはいきなりちんぷんかんぷんでしょう。およそ科学者は、森羅万象について「法則」や「関係」を見いだすことを目的に日々研究していると言っても過言ではありません。それぞれの現象にはすべからく因果があり、それを数式で表すことができたらと夢見ています。
しかし誰が考えてもわかることですが、世の中は、あるいは自然は大いに不規則です。例えば株価は絶え間なく複雑に変動し、長期的にはどのようなトレンドが現れるかを予想することは極めて困難です。しかし、株価はホントに「デタラメ」な何かが原因で複雑な現象を示すのではなく、間違いなく個々の事情、すなわち消費者マインドやFRB議長の発言などに応じて変動しているはずです。これはよく聞かれる言葉『カオス』とよばれる現象です。
ある複雑な現象を方程式で書き表そうとする研究をモデリングといい、これは上田先生の主要なテーマです。カオスは確定的要素で決まる式からも生じ得ますから、現象からその規則を見いだそうとするひとつの有効な方法です。
ところで、科学や工学ではモデルとして扱いやすい「直線的な=線形」関係を採用することが常套手段ですが、上田先生の研究室では「直線的でない=非線形な」関係をそのまま受け入